地震は、自宅にいるときに起きるとは限りません。

通勤中の電車の中かもしれない。
職場の高層ビルかもしれない。
買い物先や旅行先かもしれません。

もしそのとき電車が止まり、停電し、信号が消えたら――
あなたは自宅までどうやって帰りますか?

防災というと「避難バッグ」や「備蓄」を思い浮かべる方が多いですが、
それはあくまで“家にいる前提”の備えです。

外出中に被災した場合に必要なのは、
自宅まで歩いて帰るための装備

それが「防災ポーチ」です。

防災ポーチは、避難所で生活するためのものではありません。
3日分の食料を入れるものでもありません。

目的はただひとつ。

外出先から、無事に家まで帰ること。

私は、仕事に行くときのリュックの中に防災ポーチを入れたり、
電車で1~2時間以上離れた場所に行くときにも持っていきます。

防災ポーチは「非常用品」というより、
無事に帰るための移動装備だと考えているからです。

実際、登山の持ち物を調べたとき、防災ポーチの中身とほとんど一致していることに気づきました。
ライト、行動食、救急セット、防寒対策——どれも「無事に帰るための装備」です。

旅行のときも同じです。
バッグに入れておくだけで、移動中の安心感がまったく違います。

防災ポーチは特別な備えではなく、
「どこにいても、歩いて帰るための装備」です。

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防災ポーチとは?避難バッグとの違い

防災ポーチと避難バッグは、役割がまったく違います。

種類想定目的
避難バッグ自宅から避難所へ数日間生き延びる
防災ポーチ外出先から自宅へ無事に帰宅する

避難バッグは家に置いておくもの。
防災ポーチは、外に持ち出しているときに意味があるものです。

想定時間は、数時間から半日程度。
場合によっては夜になる可能性もあります。

つまり、防災ポーチは「長期生存キット」ではなく、
帰宅困難対策のための装備です。


外出中に地震が起きたら何が起きる?

大きな地震が発生すると、まず交通機関が止まります。

電車は運転見合わせ。
バスも運行停止。
タクシーはつかまりません。

都市部では、多くの人が一斉に徒歩帰宅を始めます。

さらに、

  • 停電で街灯が消える
  • エレベーターが停止する
  • トイレが使えなくなる
  • コンビニの商品がなくなる
  • スマホの電池が切れる

といった状況が起こります。

道路にはガラスや瓦礫が散乱し、けがのリスクも高まります。

「とりあえず歩けばいい」わけではありません。
暗闇・空腹・不安の中を何時間も移動することになります。

この現実を想像できるかどうかが、防災ポーチを用意するかどうかの分かれ目です。


防災ポーチの基本は「10〜20km歩く想定」

帰宅困難が起きた場合、
10km〜20kmを歩く可能性があります。

徒歩の平均速度は時速4km前後。
20kmなら、休憩を含めて5〜6時間かかる計算です。

もし夕方に被災すれば、途中で夜になります。
雨や寒さ、暑さの影響も受けます。

さらに見落としがちなのが、トイレの問題です。
断水や施設閉鎖で使えないこともあり、長時間の移動では大きな不安要素になります。

その状況で必要なのは、

  • いざというときに使える簡易トイレ
  • 暗闇を照らすライト
  • スマホの電源確保
  • 体力を維持する行動食
  • 粉塵から身を守るマスク

といった「移動を支える装備」です。

防災ポーチは、
“命を守るための完全装備”ではありません。

帰宅するまでの数時間をつなぐための道具です。

この前提を理解すると、
入れるべきものが自然と絞られてきます。

【優先順位つき】防災ポーチの中身一覧

防災ポーチは「全部入れる」ものではありません。
大切なのは、優先順位をつけることです。

私の防災ポーチはこちらです!

これだけは絶対に入れたい(最優先)

① 簡易トイレ
外出先で最も困るのがトイレ問題です。
断水や施設閉鎖で使えないこともあります。

1回分でも持っていると、安心感が大きく違います。
心理的余裕は、帰宅成功率にも影響します。

② ヘッドライト
停電時、暗闇の中を歩く可能性があります。
片手がふさがる懐中電灯よりも、両手が空くヘッドライトが安全です。

③ モバイルバッテリー
容量は大きくなくても構いません。
軽量タイプでも「あること」が重要です。
地図確認や家族との連絡手段を失わないための命綱になります。

④ 行動食(飴・チョコ・栄養バーなど)
長時間歩くと体力が落ちます。
少量でエネルギー補給できるものを。
血糖値が下がると判断力も鈍ります。

⑤ マスク
地震直後は粉塵が舞います。
呼吸を守ることは、体力の消耗を防ぐことにもつながります。


次に入れたいもの

・救急セット
絆創膏、ガーゼ、テープ、消毒用アルコールなど。
小さなけがでも、止血できなければ歩き続けるのは困難です。

・常備薬
頭痛薬や持病の薬など。
薬がないことで帰宅できなくなるケースもあります。

・眼鏡(予備)
コンタクト使用者は特に重要です。
視界が確保できない状態での徒歩移動は非常に危険です。

・現金
キャッシュレス決済が使えない可能性があります。
少額でも現金を持っておくと安心です。


あると安心なもの

・ホイッスル、手鏡
生き埋め時だけでなく、遠くの人にSOSや危険を知らせる手段になります。

・温度調整用品
夏は冷却タオルやハンディファン。
冬はカイロやレインコート。
体温を守ることは、体力消耗を防ぐことに直結します。

・水(少量)
500mlすべてを持ち歩く必要はありませんが、
最低限の水分があると安心です。

私は、会社で水筒を飲み切って空の状態で帰るのではなく、
半分ほど残した状態で帰るようにしています。
それだけでも備えになります。


重くしないための考え方(目安は300〜700g)

防災ポーチが重すぎると、持ち歩かなくなります。
それでは意味がありません。

目安は300g〜700g程度。
「毎日持てる重さ」が正解です。

軽量化のポイントは、

  • モバイルバッテリーはコンパクトタイプにする
  • 救急セットは最小限にする
  • 1つで複数の役割を果たせるものを選ぶ

こと。

登山装備と共通しているのは、
「軽さは正義」という考え方です。

続けられる備えこそが、本当の備えです。


女性・子どもがいる場合の防災ポーチ

女性の場合は、

  • 生理用品
  • ヘアゴム
  • 最低限の衛生用品

も検討すると安心です。

子どもがいる家庭では、

  • 子ども用の小さな行動食
  • 連絡先を書いたメモ
  • 家族写真

を入れておくと良いでしょう。

スマートフォンが使えない状況も想定し、
紙で情報を持っておくことは大切です。

家族写真は、万が一の身元確認だけでなく、
精神的な支えにもなります。


会社や学校に置いておく備え

可能であれば、

  • 歩きやすい靴
  • ヘルメット

を職場に置いておくのもひとつの方法です。

ヒールや革靴では、長距離歩行は困難です。
足元を守ることは、帰宅成功率を大きく上げます。


登山・旅行にも転用できる防災ポーチ

防災ポーチの中身は、登山装備と非常に似ています。

  • ライト
  • 行動食
  • 救急セット
  • 防寒対策

これらは「安全に移動するための装備」です。

旅行のときも、そのままバッグに入れるだけで安心感が違います。

特別な防災グッズではなく、
日常とつながっている備え。

それが防災ポーチの良さです。

【結論】迷ったらこれだけ。最低限6点セット

「全部そろえるのは大変…」
そう感じる方は、まずこの6つだけ用意してください。

最低限これだけ6点

  1. 簡易トイレ
  2. ヘッドライト
  3. モバイルバッテリー
  4. 行動食(飴・チョコ・栄養バー)
  5. マスク
  6. 現金(少額でOK)

この6つがあれば、

  • トイレに行けない不安を減らせる
  • 暗闇で安全に歩ける
  • 連絡手段を失わない
  • 低血糖を防げる
  • 粉塵から身を守れる
  • 最低限の支払いができる

つまり、
「家まで帰る確率」を上げることができます。

防災ポーチは完璧を目指すものではありません。

まずはこの6点をバッグに入れる。
それだけでも、何も持たない状態とは大きく違います。

あなたのバッグの中には、今いくつ入っていますか?

市販の防災ポーチをベースにするのも一つの方法

すべてを自分で揃えるのが大変な場合は、
市販の防災ポーチを“ベース”にするのも一つの方法です。

例えば
この「0より1!毎日持ち歩ける 防災ポーチ」のようなセット。

絆創膏やガーゼ、アルコール綿、簡易トイレ、
アルミブランケットなど、最低限の衛生・応急用品がまとまっています。

ただし、この記事で紹介した

・ヘッドライト
・モバイルバッテリー
・行動食
・現金

などは含まれていないため、
不足分は自分で補う必要があります。

完成品を探すのではなく、
「ベース+自分仕様」で整えるのがおすすめです。


まとめ|防災ポーチは“帰るまでをつなぐ装備”

防災ポーチは、命を完全に守る装備ではありません。

しかし、

  • 暗闇で転ばない
  • スマホが切れない
  • 空腹で動けなくならない

これだけでも、帰宅できる確率は大きく変わります。

備蓄や避難バッグとは役割が違います。

防災ポーチは、
外出先から家に帰るための備え

まずは、家にあるものを集めてみてください。
完璧でなくて構いません。

「歩いて帰る」ことを想像する。
それが防災ポーチの第一歩です。

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